SIerから自社開発ベンチャーへの転職(前編:転職の経緯)

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2020年9月某日、金融系ベンチャー企業からの内定を受諾し、晴れて転職する運びとなりました。転職にあたっては、先達の皆さんのエントリーが非常に参考になったので、私も退職(転職)エントリーを書こうと思います。

この前編では、転職に至るまでの経緯、転職を決意したきっかけなどをご紹介します。

私について

まず、簡単に自己紹介をしたいと思います。執筆時点の2020年9月現在28歳で、社会人歴は6年目。新卒入社した会社に勤め続けていました。会社はIT企業(とは名ばかり)で、金融系に強みを持つSIerです。

大学時代は、情報工学を専攻しており、研究室ではHPCの研究をしていました。当時非常に話題だった、GPUを用いた科学数値計算の高速化に取り組んでいました。当時は、ひたすらCUDAのコードを書いては実行、バグとりして、というのを繰り返していました。2013年~2014年は、GPUでいうとGTX500番台のGPUが多かったように思います。

転職に至った経緯

今までの業務を振り返りつつ、転職に至った経緯をご説明します。

1年目〜2年目:ソフトウェアエンジニア

新卒で入社し、研修が終わると、ソフトウェアエンジニアとして配属されました。担当することとなったシステムは、債券などの取引の際に使われるシステムで、事業会社の業務上、非常に重要なシステムでした。通常、実際の開発業務(コーディングや単体テストなど)はベンダーさんにお願いする場合がほとんどなのですが、新人ということもあり、育成の一環で開発をやらせてもらうことになりました。

初めて担当した開発案件は、別のシステムから受信するデータの桁数が変更されるため、それに合わせてモジュールやDB定義を改修するというものでした。簡単そうな案件に見えますが、確か半年かけて設計、開発、テスト、リリースまでやった記憶があります。金融システムはここまで慎重になるのかと思いながら対応を進めていました。また、開発の基礎を学んだのも、このときです。

そんな開発案件をやりながら2年目になると、開発からは遠のき、ドキュメント作成が多くなりました。というのも、会社として、システムを内製化しようというプロジェクトが立ち上がり、そのプロジェクトにアサインされたのです。この時の業務は、内製化するシステムのコードや設計書を読み、処理を理解し、それを元にシステム理解の補助資料としてWordやExcelを作成するという内容でした。ひたすらに資料作りです。最初は、まぁこれも重要な業務だと言い聞かせ、取り組んでいました。残業などはほとんどなく、初めて残業0となったのもこの案件を担当している時でした。

半年ほどそんな業務を続けていましたが、これらの業務にやりがいを感じることができず、また成長感が得られなかったため、転職しようと決意しました。ただ、このときは、転職活動を初めてすぐに別部署に異動となったため、結局、転職活動は中止にしました。

3年目〜転職まで:インフラエンジニア

異動先は、インフラ部門でした。当時、インフラは全く詳しくなかったので、異動を言い渡されたとき、とてつもない不安に襲われたのを覚えています。

インフラ系の業務では、マネジメント業務がほとんどで、案件や維持保守の推進、各種調整や課題管理などがほとんどでした。技術的なところには触れることができませんでしたが、インフラ系の知識はあまりなく、覚えることは多くあったため、成長感はありました。また、周りの社員や他社ベンダーの方は、みな気さくで面倒見がよく、業務、プライベート共に、仲良くよくしていただいていました。

また、新技術の検証にも取り組ませてもらいました。AnsibleやTerraformなどの構成管理ツールのPoCや導入などを行いました。元々ソフトウェアエンジニアとしてJavaのコーディングなどをしていたため、playbook作成はすんなりできました。これらのツールでは、インフラの構築や運用作業を自動化することができるのですが、これが結構面白く、自動化・効率化が好き/得意なのかもしれないと思いました。学生時代HPCやってたからかもしれません。

異動してから2年ほどたった2020年の初めごろ、コロナウイルスによりしばらくの間自宅待機となりました。本来ならば、ノートPCが配布され自宅でリモートワークとなるはずなのですが、全社的にノートPCの支給が間に合わず、致し方仕方なしの自宅待機でした。自宅待機なので、ほとんど仕事もなく、学習ばかりしていました。まとまった時間があったため、集中して学習に取り組めました。主に、Azureについて学習しました。せっかくならばと、Azureの資格も取りました。それから、今後のキャリアについてもいろいろと考えました。最終的には、転職を決意するのですが、決意するに至った理由は次章にまとめて記載します。

キャリアについて考える上で、他企業についていろいろ調べました。特に、やりがいや技術面で、自分たちでサービスをやっているような会社がいいなと思い、Web系や自社サービスをやっているような企業を中心に調べました。特に参考になったのが、やはり退職エントリー、転職エントリーです。SIerからWeb系に転職した方々のエントリーを見て、自分もこんな会社にいきたいなーと希望を膨らませていました。

そんなこんな考えていたら、在宅勤務の環境が整い、自宅待機が解除され、業務が始まりました。結構忙しく、毎月のようにWord、Excelを作っては、会社の先輩、お客さまに報告する、といったことを3ヶ月ほどやっていました。1〜2週間で資料作成、1週間でレビュー、1週間で報告というスケジュールでした。正直、これが一番辛かったです。残業も70時間近くになり、一体自分は何のためにやっているのだろう、本当にこれがやりたかったことなのだろうか、果たして成長しているのだろうかと思うことが多くなりました。これを気に転職を決意しました。

転職理由

  • Excel、Word、Powerpointばかり扱っている(自ら開発できていない)
  • 貢献感が低い
  • 制約が多すぎる
  • 漠然とした不安

一つ目の「Excel、Word、Powerpointばかり扱っている」についてです。自分の将来像として、しっかりと技術的なところがわかる人間になりたいと思っており、若いうち(少なくとも20代のうち)は、自分で手を動かしてものづくりをしたいと思っていました。が、今までのキャリアを振り返った時、自分の先輩をみているときの両方で、全く技術的なところにふれておらず、Wordで報告資料作ったり、ベンダーの進捗管理したりがほとんどでした。もちろん、これらの業務はプロダクトやシステムを作る上で必要なことだということは理解していましたが、今やるべきではない(もう少し年次が上がってから取り組みたい、現場を知らずにマネジメントしたくない)と感じていました。

次に、「貢献感が低い」です。自分の担当するシステムがいくつかあったのですが、そのシステムのユーザと話す機会もなければ、実際に使われているところもみたことがありませんでした。そんな状態で業務をする中で、「なんのために頑張っているのだろう」「誰かの役にたてているのだろうか」と思うことが多かったです。

三つ目の「制約が多すぎる」。お客様の環境で業務することがほとんどだったのですが、インターネットが使えなかったり、指定のソフトウェア以外インストールできなかったり、AWSで使えるサービスが少なかったりしました。日々、技術的キャッチアップをしていたので、世の中いろんなサービスが出てきているのに全然使うことができないというのが、結構フラストレーションでした。

「漠然とした不安」は、上記ともかぶるのですが、新しい技術を使うことが少ないため、世の中から置いてけぼりになるのではという不安がありました。このまま今の会社で仕事していたら、いつか技術の進歩から取り残されてしまうのではないかと。

次回について

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

次回は、転職を決意した私が、どのように転職活動を進めて行ったのか、転職においてやったこと、コツなどを書こうと思います。

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